性感染症(STD)について

性感染症(STD)は悪評がすぐに広まる時代

性感染症(STD)は、必ずしも自覚症状があるとは限らない病気です。そのため、感染に気づいたときにはすでに多くの人に伝染していることも考えられます。 特に近年はインターネットが一般の方々の間にも浸透し、悪評がすぐに広まる時代となってきました。リスクを避けるため、店舗経営者の方に定期検査の導入をお勧めいたします。

性感染症(STD)とは、セックスをはじめとする性行為などによって感染する病気のことです。 一昔前までは「性病」と呼ばれていましたが、現在は法改正により、「性感染症」という名称や「STD(「Sexually Transmitted Diseases」の頭文字)」または「STI(「Sexually Transmitted Infections」の頭文字)」という名称で呼ばれるようになりました。 STDの「Diseases」は病気という意味で、STIの「Infections」は感染症などの意味がありますが、日本ではSTDもSTIも「性感染症」という意味で使われています。

予防法・対処法

【予防のポイント】
性感染症(STD)を防ぐには、正しい知識を身に透ける事が何より肝心です

「コンドームを着用する」「出血のおそれがある性行為をしない」といった基本的な知識を持っていれば、性感染症(STD)の感染はかなりの確率で防ぐことができます。
予防会では、性感染症予防を啓蒙するリーフレットの配布や、店舗経営者及びAV関連会社の幹部を対象とした性感染症予防の講習会を開催することで、感染予防のお手伝いをしております。興味を持たれた方は、お気軽にご連絡ください。

【対処のポイント】
”早期発見””早期治療”を行うために、定期検査の導入をお勧めします

性感染症(STD)の対処方法として最も大切なのは、なるべく早く治療を行うことです。治療が遅れれば、それだけ症状が悪化していきます。
性感染症(STD)の早期治療を実現するためには、感染を早期発見しなければなりません。
予防会では、性感染症(STD)の早期発見を実現する定期検査をお勧めしております。店舗経営者の方は、ぜひ導入をご検討ください。

主な性感染症(STD)の解説

性器淋菌感染症

感染してから症状が出るまでの期間 : 2日~7日
検査可能時期:感染機会から1週間後
コンドームを使用しない1回の性行為での感染確率が50%と言われています。
男女で症状が異なり、女性の場合8割以上は無症状で気づかないことがほとんどです。
男性では排尿時の痛みや膿が出る場合があります。
感染したまま放置してしまうと男女共に不妊症となる場合があり、注意が必要です。

性器クラミジア

感染してから症状が出るまでの期間 : 2日~7日
検査可能時期:感染機会から2週間後
コンドームを使用しない1回の性行為での感染確率が50%と言われています。
日本では感染者数が最も多い性感染症で、感染力が非常に強いです。
症状は男女共に無症状か軽度で気づかないことがほとんどです。
感染したまま放置してしまうと男女共に不妊症となる場合があり、注意が必要です。

梅毒

感染してから症状が出るまでの期間 : 3週間
検査可能時期:感染機会から4週間後
セックス、オーラルセックス、キスでも感染する可能性があります。
1次梅毒(3週間~3か月程度)では性器、肛門、唇などの感染部位に
痛みをともなわない「しこり」ができたり、足の付け根のリンパが腫れたりすることがあります。
2次梅毒(3か月~3年程度)ではバラ疹と呼ばれる薄い紅色の発疹や
扁形コンジローマと呼ばれる硬いできものができることがありますが、無症状のことも多いです。
そのまま治療せず放置してしまうと3次梅毒へ移行し、心臓や脳(神経)で重篤な症状を引き起こします。

HIV感染症(エイズ)

感染してから症状が出るまでの期間 : 2~4週間
検査可能時期:感染機会から15~20日後
1回の性行為での感染率は、挿入者0.04%、被挿入者0.08%と言われています。
感染初期(HIV感染から2~4週間)では40~90%の人に風邪やインフルエンザに似た症状が出ますが、残りは無症状のまま免疫低下が進みます。
発症しても数週間程で症状が消えてしまい、5~10年程の無症候期に入ります。AIDS(エイズ)を発症すると、さまざまな病気(日和見感染症)が併発します。
早期に感染が確認されれば、適切な治療により病状の進行を遅らせることができ、その場合の寿命は健常人とほとんど変わりません。
治療効果を上げるためには、HIV感染後、出来るだけ早期に治療を開始することが非常に重要です。

性器トリコモナス症

感染してから症状が出るまでの期間 : 10日~6か月
検査可能時期:感染機会から翌日以降
世界で最も多い性感染症で、コンドームを使用しない1回の性行為での感染確率が50%と言われています。
感染しても6割~7割の方は無症状です。
2割程度の方は悪臭を伴うおりもの等、不快感を覚える症状が出る方もいます。
感染したまま放置してしまうと、不妊・ガン・早産の原因となってしまう可能性があります。

B型肝炎

感染してから症状が出るまでの期間:1~6か月
検査可能時期 : 感染機会から1~10週間後
B型肝炎はワクチンによる予防が可能な病気です。
ワクチン接種をしていない方は感染する可能性がある為、検査する事をお勧めします。
ウイルスが持続感染すると肝炎が慢性化することがあります。
この状態を慢性肝炎といい、放置してしまうと肝硬変や肝がんなどを発症することがあります。

性器カンジダ症

健康な人でも体内に存在することがある真菌の一種です。
他者から感染する性感染症と違い、自己発症が中心となります。
性器のかゆみ、おりものの違和感などの症状が出ることがあります。
細菌性膣症など症状が似ている別の病気があります。

細菌性膣症

何らかの原因で腟の善玉菌である乳酸桿菌が減少する事で発症します。
単純ヘルペス、淋菌、クラミジア、トリコモナスの性感染症にかかりやすくなってしまう特徴があります。
約半数は無症状で、放置することで不妊症となる場合があり、注意が必要です。
性器カンジダ症など症状が似ている別の病気があります。

咽頭淋菌感染症

感染してから症状が出るまでの期間 : 1週間~2週間
検査可能時期:感染機会から1週間後
オーラルセックスにより感染します。
症状があっても軽度なため気がつかないことがほとんどです。
感染して症状が出た場合でものどがイガイガする程度で、検査をして初めて感染に気付く方が多いです。

咽頭クラミジア

感染してから症状が出るまでの期間 : 2週間前後
検査可能時期:感染機会から2週間後
オーラルセックスにより感染します。
咽頭クラミジアは、性器クラミジアより治療に時間を要するケースが多いです。
症状があっても軽度なため気がつかないことがほとんどです。
症状が出たとしてものどがイガイガする程度で、検査をして初めて感染に気づく方が多いです。

C型肝炎

感染してから症状が出るまでの期間:2~3か月
検査可能時期 : 感染機会から1~2か月後
性行為で感染しますが、感染リスクはかなり低くなっています。
症状は出たとしても、倦怠感や食欲がない程度で黄疸も出にくいため気がつかないことが多いです。
しかし放置してしまうと肝硬変や肝臓がんに移行する可能性があります。

性器ヘルペス

感染してから症状が出るまでの期間:2~10日
男女ともに初感染は、耐えきれないほどの激痛なことが多いですが、
一方で感染に気づかないほど症状が軽度の場合もあります。
治療を行わなくても2~3週で症状は消えますが、1度感染するとウイルスを完全に排除できないため、免疫力が低下した時などに再発を繰り返すことがあります。

尖圭コンジローマ

女性の場合、性行為があれば一生に1度は多くの方が感染するといわれています。
陰部等にニワトリの鶏冠(とさか)状やカリフラワー状のイボができます。
尖圭コンジローマの人が性行為をした場合、3人に2人の割合で、尖圭コンジローマの原因となるHPVを相手に感染させてしまうという報告もあります。

マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症

感染してから症状が出るまでの期間1~5週間
排尿時の違和感やおりものの異常などの症状が出ることがありますが、ほとんどが無症状で気づかないことがほとんどです。
マイコプラズマ・ジェニタリウムは尿道炎、子宮頸管炎と関連していることが証明されています。
マイコプラズマは性感染症の中でも新しいもので、研究が進んでいないため情報のアップデートが頻繁に行われています。
尿道炎や子宮頸管炎症状がある方で淋菌・クラミジア・トリコモナスが陰性であった場合に
マイコプラズマの検査を推奨しています。

その他の感染症

C型肝炎

感染してから症状が出るまで:2週間~3ヶ月程度 治療期間:半年~1年程度
C型肝炎ウイルスの感染によって発症する性感染症(STD)です。性行為による感染は少なく、主に血液を介して感染します。
C型肝炎は、放置しておくと「肝硬変」や「肝臓癌」に移行する可能性があります。
自覚症状が軽く、感染に気づいていないケースが多いため、注意が必要です。
C型肝炎の主な症状>
倦怠感、食欲不振などの症状がでるが、軽度で気づかないことが多いです。
C型肝炎ウィルスは慢性化率が非常に高く、通常の感染で60~70%が慢性化するといわれます。10~15年かけてウィルスは増殖していくが、症状が出ないまま肝硬変や肝臓がんに移行することもあります。